こんにちは、院長の平田です。
今朝も、さぶっ! って感じで起きましたね。またまた、寒さを感じるようになりました。
昨日は、山口市が主催で開催された 「(仮称)山口市ペット適正飼養等検討協議会準備委員会」 という会議に山口市内の動物病院の獣医師の代表として出席して来ました。
参加者は、山口市自治会連合会の方、山口市快適環境づくり推進協議会の方、犬猫の保護や里親探しなどをされている動物愛護ボランティアの方、行政機関として山口県と山口市役所そして山口市獣医師会の獣医師総勢19人。
山口県では一年間に約1,400頭の犬が、約4,000頭の猫が殺処分されているのが現状です。
県では、「山口県動物保護管理推進計画」を定め、平成35年を目標にそれぞれ50~70%の削減を目指しています。
犬の殺処分頭数は減少傾向にあるものの、猫の殺処分頭数は横ばいの状態だそうです。
犬は狂犬病予防法のおかげで飼育している犬の登録が義務つけられていますが、猫はその対象から外れています。
僕が子供の頃の50年前は東京都内でも野良犬がウロウロしていましたし、放し飼いの犬もたくさんいた記憶があります。
今では、田舎に行ってもそんな光景を見ることはほとんどないですね。
しかし、猫については今でもあちらこちらに自由に生活している猫たちを 見ることができます。
その中には、本当に飼い主のいない野良猫もいるでしょうし、家の中と外を自由に出入りしている飼い猫もいます。また、個人的に餌だけをやっている人もいます。更には、ちゃんと餌付けをして避妊手術を受けさせているボランティアの方々もおられます。
このような状況の中で、山口市は人とペット(動物)とが快適に共生出来るまちづくりを進める方法を考えるための検討協議会設置することにしました。
山口市としては、ペットな中でも 特に猫に関する諸問題を総合的に解決したい考えでした。
最終的な目標としては、自治会等が地域住民の理解と協力を得て、動物ボランティアさんや獣医師などとルール役割を決めて猫たちの世話をする いわゆる「地域猫」活動を目指しているようでした。
県としても、山口市の猫に対する取り組みが県のモデル地域となって欲しいとの考えです。
しかし、自治会長さんから興味深いお話を伺うことができました。
「野良猫はまだいいんだよ。ほんとに困っているのは家と外を自由に行き来する猫なんだよね。彼らは、餌だけやって糞尿を隣近所の庭や畑でやらせているだよ。で、コラ!!!って叱ったら、飼い主から苦情を言われることもあるんだよ。この方がよっぽどたちが悪いし、ほんとに困ってるんだよ。そして犬の糞も問題だよね。田んぼの畦で糞をさせて放置する人もたくさんいるし、ペットの飼い方をちゃんと守らせることも重要じゃないの?」
僕たちは病院に猫ちゃんを連れてくる方とのお付き合いしかないけど、動物たちと関係のない住民の方の考えを改めてお聞きすることができました。
また、野良猫の不妊手術活動のことをTNR活動と言います。Trap(猫の捕獲)・Neuter(不妊手術の実施)・Return(生活していたところへ戻す)
獣医師の中にも TNR については、反対の人もいますし、積極的にやっている人もいるのが現状です。
今年中に数回の会議を招集して方針を決定して行くようですが、問題は山積みのようです。
しかしながら、不幸な猫たちを増やさないこと、ペットを飼っている人も飼っていない人も、お互いが快適に生活出来るまちづくりを進めることは大切なことですね。
僕は獣医師として、少しでもみなさんのお役に立たなければと思います。