11月はいつもより少し多い、3つのセミナーに参加したのでそのご報告をさせて頂きます。
1つ目は山口県獣医師会主催の小動物講習会です。
テーマは「救急症例を目の前にあなたはどう動けるか?」、講師は中村篤史先生でした。
救急というとヒトではドラマやドキュメンタリーで取り扱われる事も多いです。
動物ではどうかというと、日中は多くの動物病院は飛び込みの患者さんも診ていることがほとんどです。
では夜間はどうかというと、ヒトほど整備された環境はなく、
各地で少しずつ夜間病院の立ち上げが進んでいるという現状です。
山口でも数ヶ月前から山口大学で夜間診療が開始しています。
救急症例、つまり緊急的な診断・治療の必要のある症例というのは、昼夜を問わず来院します。
ですから今回のセミナーは、日中に診療を行う僕たちにとっても非常に意義深いものでした。
2つ目はJBVPセミナーです。
テーマは「僧帽弁閉鎖不全症の診断・治療(後編)」、講師は竹村直行先生でした。
今回は僧帽弁閉鎖不全症に併発する肺高血圧についてと、心臓病患者さんの食事と運動についての講演でした。
肺高血圧とは、血中の二酸化炭素と酸素が交換される肺の血液循環が高血圧状態になってしまうものです。
肺高血圧になると肺血管が少なくなり、麻酔リスクが上がってしまったり、失神や腹水の原因になったりします。
ですから肺高血圧を捉えてしっかり治療方針を決めていくことは非常に重要になります。
次いで食事と運動についてですが、太っていると心臓ことや運動は負担がかかりそうですが、
僧帽弁閉鎖不全症の患者さんでは無理に痩せようとするよりも、
適切な散歩と良質なたんぱく質とカロリー摂取が必要になります。
僧帽弁閉鎖不全症の初期から重症段階の診断と治療、日常生活についてじっくり勉強することが出来ました。
3つ目は広島でのアジア獣医皮膚専門医による皮膚科専門診療の見学です。
皮膚科診療では問診と身体検査が非常に重要視されます。
専門医診療では、色々な治療を受けても治らず受診している症例も多いため、
初診の患者さんへの問診も多岐に渡りは診察時間が1時間程度かかることも良くあります。
見学した日は初診7件と再診もあり、問診のポイントから診断、治療の組み立てに至る非常に濃厚な勉強をすることが出来ました。