こんにちは、院長の平田です。

朝から雲一つない晴天。汗ばむような山口市でした。
でも、エアコンを止めて車の窓を開けて走るととっても爽快でした。
道路脇の田んぼでは早くも稲刈りが始まって、秋を感じさせてくれます。

今朝は朝から周南市で開催された「飼い主のいない猫のトラブル解消法   地域猫活動のすすめ」というセミナーに参加してきました。
今回のセミナーは 地域猫 の提案者で、横浜市神奈川福祉保健センターの職員 黒沢 康さん(獣医師)を講師にした山口県主催のセミナーです。
昨日は山口市でも開催され、今朝の朝日新聞にも記事が出ていたのでご覧になった方もいらっしゃると思います。

黒沢さんのお話では、野良猫は随分昔からいたはずなのに最近になってトラブルが急増している。
その原因としては、完全食と言われるキャットフードの登場で猫の健康状態が良くなり繁殖力も向上し繁殖を繰り返し野良猫の数が急増した。
また、都市化の影響によって花壇や家庭菜園などの糞尿被害が急増していることが挙げられるそうです。
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黒沢さんは横浜市の職員として、色々な苦情の対応をされてきたそうですが、中でも野良猫に対する苦情は相当なものだったそうです。
1999年に勤務地の横浜市磯子区で野良猫の飼育ガイドラインを作成し、地域で取り組む野良猫対策が 「地域猫対策」 として認められ、全国各地で同様の事業が展開されているそうです。

野良猫擁護派の人と野良猫嫌悪派の人を集めて話し合いをすると、意見が合わずに必ず喧嘩になって話し合いどころではないそうです。
色々と話し合う中で 何が迷惑なのかが双方理解されれば解決出来る可能性があるそうです。しかし、100%のトラブル解決は期待しない方がいいということも強調されていました。

「餌を与える人」  「野良猫」  が 悪いのではなく、猫の糞尿・匂い・鳴き声が 問題の原因ということに気づけば、猫の習性を理解して地域の中で解決することが出来るそうです。
併せて、猫好きの人もそうでない人も一緒になって地域の環境美化を積極的にするようになった地域もあるそうです。  

当院にもいわゆる野良猫として、「避妊手術」「去勢手術」を受けに来られる方がたくさんいらっしゃいます。
ボランティア団体の方もいらっしゃいますし、個人で餌付けをして捕獲して来られる方もいらっしゃいます。しかし、地域の方々が一緒になって「地域猫」として取り組まれているところは、僕の認識不足かもしれませんが、ないと思います。
当院ではご希望の方に猫の捕獲器をお貸ししたり、病院として手術代金の一部を助成させて頂いていますが、地域猫の取り組みというのは大変難しいことだと思います。

県も山口市もこの問題に本腰を入れて対応していくようなので、大きな期待をしています。もちろん僕たちに出来ることはお手伝いさせていただきます。

県によると12年度に保険所が引き取り殺処分された猫は4,000匹ほどいるそうですし、ダンボールなどに入れて捨てていく人もまだまだいます(これは犯罪です!!!)。

このような不幸な猫たちを無くし、野良猫を地域の問題として捉えて数を減らして行くとともに環境美化も推進できればいいですね。

ちなみに今日の会場には、現実に 身勝手に餌をやる人のために大変な被害を受けておられる方も来られており、意見を述べられていました。
加害者よりも被害者の方が大変なことが改めて知らせれました。