こんにちは、院長の平田です。
昨日から久しぶりにまとまった雨が降った山口市です。
今朝は6時前に携帯の緊急メールがけたたましく鳴り響き眼が覚めました。
山口市の阿東地域(7月末に集中豪雨により被害があった地域です)に避難勧告が発令されました。
前回のような被害が出ないと良いんですが。
NHKの7時の全国放送のニュースでも山口市で大雨という映像を流したようで、横浜にいる母から「大丈夫?」ていう電話が入りました。大丈夫ですよーーー
昨晩から重度の貧血の猫が入院しています。
朝から急に動かなくなってぐったりしているとのことです。
来院された時間が遅かったので、詳しい検査は明朝行う予定でお預かりしました。
今朝、採血をしようとしたら、なんと なんと なんと 前足を持ったとたん ノミがゾロゾロ出てきました。長毛のネコちゃんなので毛をかき分けて見るとノミがウジャウジャいます。
重度の貧血で採血のための血管も確認ができない状態。 と言うか あまりのノミの多さで保定もできないのです。
取りあえず、速効性のある 「フロントラインスプレー」 を全身にスプレーすると 出てくるわ 出てくるわ。 久しぶりにこんなに大量のノミを見ました。
あんまりのも気持ち悪いので写真は無し。
見るだけで体が痒くなるよ。
1時間ほどしてから、シャワーでノミの死骸を洗い落とします。
これがまた大変な作業です。丁寧にクシを使いながら洗い流していきます。
ドライヤーで乾かしてやっと検査・治療ができる状態になりました。
前足の血管を確保して、点滴用の留置針を留置して検査用の血液を採取しました。
なんとヘマトクリット値(血液の中の血球の容積を%で表したもの)が4.7%です。
正常値は35~40%です。
見てください。試験管の底にちょっとあるのが赤血球です。
生きているのが不思議なくらいです。
血糖値がやや高いものの、白血球数・肝機能・腎機能ともにほぼ正常値です。
ノミの大量寄生による重症貧血です。
飼い主さんの了解をとり、輸血を行います。
当院では、緊急の輸血に対応するため 犬3頭(ラブラドール×2、ヨークシャーテリア×1)と猫1頭を飼育しています。供血犬・供血猫ですね。
今回、活躍してくれた供血猫(名前;おちょ) 頑張ってくれました。
55mlほど採血して輸血を始めます。
人間のように血液センターとか備蓄血液とかがないので自分で用意するしか無いんですよ。
輸血を開始して約1時間。
ケージの中でゴソゴソなにやら音がするので見てみると、 ビックリです。
入れておいたフードを自力で食べているじゃありませんか!!!
まさか、この状態でご飯を食べるとは!!!
ノミもダニも皮膚に付く外部寄生虫ですが、大量に寄生すると体が痒いだけで無く、血液を大量に吸われて貧血を起こしちゃんですよ。 チリも積もれば山となる で、小さなノミもたくさん寄生すると大量の血液が吸われてしまいます。発見が遅れると命に関わります。
月に一回の ノミ・ダニの予防を忘れずにしましょうね。
なんか、気のせいか体が痒いな (笑)