学会・セミナー等の参加実績
2016-05 JBVPレクチャーシリーズin福岡 九州画像診断研究会in福岡
2016/06/06
5月に参加した2つのセミナーの報告をさせていただきます。
まず1つ目は、毎月参加しているJBVPセミナーです。
今回のテーマは「呼吸器の聴診」、講師は竹村直行先生でした。
聴診器を使って聴く音は、主に心音・呼吸音・腸音があります。
これらのうち講演やセミナーで取り上げられることが多いのは心音についてで、呼吸音についてのセミナーはそれほど多くはありません。
そんな呼吸音について、みっちり2時間かけて録音された実際の呼吸音を聞きつつ勉強することが出来ました。
正直に言うと、呼吸音は紛らわしい名前や同じ音を示す別の名称が混在していることで、混乱してしまうことも多々あるのですが、
知識を整理し、その後の治療方針決定への考え方まで教えて頂くことができました。
2つ目は、年4回程度福岡で開催されている九州画像診断研究会の5月例会です。
今回のテーマは「泌尿器外科のブラッシュアップ~尿路の確保~」、講師は大阪府立大学の秋吉秀保先生でした。
泌尿器疾患において外科が必要となる症例の中で、結石や炎症が関与するものが多々あります。
しかし、療法食の改善や種類の多様化によって、これらを内科的にコントロール出来る症例が増えてきているので、
手術が必要になる症例は以前よりは減っていると思います。
しかし、いくら内科的治療を行っても結石が出来てしまう症例や、尿の通り道が詰まってしまう症例はいるので、
そういった場合は外科的治療が必要になりますし、腫瘍では外科治療が第一選択になることもあります。
小動物外科の専門医である先生に、手術一般の注意事項から実際の手術動画も交えながらの解説をしていただきました。
10時から17時まで長丁場のセミナーだったのですが、さすが大阪の先生といったところか笑いをところどころに加えていたので、
集中力が切れることなく勉強することが出来ました。
2016-04 JBVPレクチャーシリーズin福岡 皮膚科専門診療見学in広島
2016/05/14
4月に参加した2つのセミナーについて報告させていただきます。
まずは福岡のセミナーです。こちらはほぼ毎月参加しているのですが、今回から講師の先生が変更になりました。
今回からは東京の日本獣医生命科学大学の竹村直行先生のセミナーで、今回のテーマは「心臓の聴診」についてでした。
心臓の聴診というと、聴診器を動物の胸に当てて心臓から出る音を聞くものです。
診療行為の基本の1つなので、病気以外でもワクチン接種に来た動物たちにも聴診するので、これまで何度となく実践してきました。
基本の1つなのですが、音を聞いており、客観的評価というより主観的な評価になりやすいので、実は獣医師によって評価がことなることも出てきてしまうことのある検査です。
しかしさすがに普段から学生に教えている循環器専門の先生のお話は大変ためになりました。
一連の手順から、具体的な評価基準まで、中には目からうろこが落ちるようなお話まで聞くことが出来たと思います。
続いて、広島での皮膚科研修についてです。
小動物の皮膚科領域では今年の6月に発売予定の痒み止めの新薬があります。
この薬は海外では数年前からすでに使用されており、前評判はとても良い(即効性があり、効果が高く、副作用も少ない)です。
その新薬は発売前の現時点で皮膚科専門医などの特定の獣医師に先行配布されて、すでに一部で処方されている例もあります。
研修でお世話になっている伊從先生も先行配布を受けている獣医師の一人なので、実際の使用感などを具体的に聞くことが出来ました。
また、診療後は広島県内のその他の獣医さんとの食事会にも参加させて頂き、そちらでも色々な情報交換をさせて頂きました(^-^)
山口に来て2年と少しですが、先日初めて訪れた防府天満宮の階段の写真です。
文字が書いてあるのですが、みなさん読めますでしょうか?
2016-03 九州画像診断研究会in福岡 皮膚科専門診療見学in広島
2016/04/02
今回は3月に参加した2つの研修について報告させて頂きます。
1つ目は年4回博多で開催されている九州画像診断研究会です。
今回は「代表的な免疫介在性疾患の診断方法の見直しと最新の治療法」というテーマで、名古屋市開業の湯木先生の講義を聴講してきました。
小動物臨床では免疫介在性疾患は少なくありません。しかし、動物専用薬の種類も乏しく、ヒト用の免疫抑制剤も組み合わせながら治療することが多いです。
そして免疫介在性疾患は強い薬が必要な場合や、長期間の投薬が必要なことも多く、効果と副作用の狭間で悩むことも多々あります。
湯木先生は一般動物病院の院長先生ですが、免疫関連の分野に強く、よく専門誌に記事を書いたりもされています。
そんな先生の選択と最新のデータを交えた講義をたっぷり聞くことができました。
2つ目は不定期に行っている、広島でのアジア獣医皮膚科専門医による皮膚科診療見学です。
皮膚病は夏に悪化することが多く、前回1月よりも症例数も内容も濃い見学ができました。
また、ヨークシャーテリアなどで多い?と感じてはいたものの、文献的な記載の少ないわんちゃんの「多汗症」に関しても今回教えて頂くことができ、
大変勉強になりました。
写真は先日参加した大学時代の友人の結婚式のチャペルです。
場所は福岡県の海の中道で、今回初めて訪れたのですが、天気も良くすばらしい景色でした。
2016-02 消化器外科実習in尼崎
2016/03/11
今回は2月の末に参加した、消化器外科の実習形式のセミナーについて報告させて頂きます。
テーマは「消化器外科における(剥離・縫合・吻合)スキルアップ実技・実習」、講師は宮崎大学の鳥巣至道先生でした。
外科実習というとどういった臓器を使うの?という疑問が出ると思いますが、やはり生きている動物を使って実習することはできないので、
今回は食用豚の摘出された肝臓・胆嚢と胃腸を使って勉強させて頂きました。
具体的には胆のう摘出と肝葉切除、胃固定、小腸の吻合など盛りだくさんの内容だったのですが、一般的な外科処置に応用できる基本的なことも併せて説明していただきました。
外科というと職人技的なところもあるのですが、普段大学で教えながらも専門的な治療をしている先生のお話はとても分かりやすく、
内容も濃く充実した時間だったので、6時間程度の実習時間があっというまに過ぎました。
山口から時間をかけて兵庫県尼崎まで移動にかかる時間も普段のセミナーよりも長かったですが、得るものもかけた時間以上のものでした。
2016-02 第12回日本獣医内科学アカデミー学術大会in横浜 JBVPレクチャーシリーズin福岡
2016/03/07
今回は2月の後半に参加した2つのセミナーに関して報告させて頂きます。
1つは毎月参加している福岡の消化器セミナーで「犬の蛋白漏出性腸症の診断と予後」というテーマでした。
もう一つは毎年2月に横浜で開催されている日本獣医内科学アカデミー学術大会です。
今回は獣医内科学アカデミーについて少しお話させていただこうと思います。
この学会は国内で開催される獣医学の学会としては最大級の規模を誇り、毎年金・土・日の3日間かけて会場も15会場同時進行で様々な分野の講演や報告が行われます。
個人的にはこれまでも何度か参加していて、東日本大震災と学会が同じ日にあり帰宅難民になったことや、数年前に参加した際は症例検討アワードという賞を受賞したりと、様々な思い出のある学会です。
今回は土日の2日間のみの参加でしたが、様々な分野の話を聴くことで充実した2日間を過ごすことが出来ました。
また、何人かの学生時代の知人に久しぶりに会うこともできたのですが、「凄く落ち着いたね~」と言われ嬉しいような恥ずかしいような気持になりました。 (笑)
2016-01 JBVPレクチャーシリーズin福岡 獣医オゾン療法セミナーin東京
2016/02/13
2016年2回目の報告です。
今回は1月後半に参加した2つのセミナーの報告をさせて頂きます。
まずは毎月福岡で開催されているJBVPレクチャーシリーズです。
今回のテーマは「犬と猫の大腸疾患」、講師はこれまで同様中島亘先生でした。
犬の大腸には良性のポリープや悪性腫瘍も発生しますが、特に日本のミニチュアダックスフントを中心に炎症性ポリープという独特な病気があります。
ポリープや悪性腫瘍は外科的切除が基本なのですが、炎症性ポリープは外科だけでなく内科療法も選択肢になります。それらの選択の考え方など今回も有意義な話が聞けました。
また猫の消化管の好酸球性硬化性線維増殖症という2003年に初報告された疾患についての知識も得ることが出来ました。
2つめは獣医オゾン療法セミナーです。
オゾン療法と聞いてもあまり馴染みのない方も多いとは思いますが、ヒトでも一部の施設で実施されており、獣医オゾン療法セミナーも今回で11回目だったようです。
一般に身近なオゾンというとオゾン殺菌という言葉は聞いたことがあるかもしれません。
オゾンには殺菌効果があり、高濃度に暴露すると毒性を示すこともあります。しかし低濃度で作用させると傷の治りの活性化や組織への酸素供給改善、抗酸化作用や免疫陽性などのさまざまな有用な効果を示すそうです。
実際の適応にあたっては、1回で効果が認められるわけではなく数回の治療を継続していくことで種々の疾患に効果が期待されています。
また副作用もほとんどないと言われており、安全性の高い治療だとも言われています。
当院でもオゾン療法は実施しておりますので興味のある方は是非スタッフまでお声がけください。
最後に下の写真は自分が翻訳に参加した腫瘍学の本が1月に発売され、出版社から完成品が献本されてきましたのでその本の画像を載せました。実際に翻訳作業をしていたのは約2年前だったのですが、完成した実物を見ると嬉しいものです。
2016-01 皮膚科専門診療見学in広島
2016/01/23
2016年最初の報告です。
今回は広島県廿日市市のマリン動物病院さんで1~2か月に1回行われている、アジア獣医皮膚科専門医による皮膚科専門診療の見学に行ってきました。
アジア獣医皮膚科専門医とは日本でもまだ10人もいない専門医であり、今回見学させていただいた伊從(いより)先生は普段は関東を中心に様々な病院で出張専門診療を行っています。
伊從先生とマリン動物病院の小田先生が大学の同級生、僕が大学生の時に伊從先生が同じ研究室の大学院生であったというご縁から、昨年10月に引き続き見学させていただきました。
皮膚科では診断がついて完治する疾患(感染症など)以外にも、
診断はついても完治が難しく一生付き合っていかなければならない疾患(アレルギーなど)があります。
一生付き合っていかなければならないアレルギー性の皮膚疾患に対しては、全ての動物に同じ治療ではけっして上手くコントロールすることは出来ず、わんちゃんねこちゃん自身のこと、ご家族のことなどを総合して、その子その子に合わせた治療の組み合わせが重要になってきます。
つまりオーダーメイドに近い治療が理想なのですが、そうなると教科書に載っていることだけでは不十分であり、現状では絶対これさえやっておけば良い!というのもないのです。
そこで専門医がどのように治療を使い分けているかを目の当たりにし、疑問があればすぐ確認できた今回の見学もまた非常に有用でした。
(大雪の降った1月19日に日帰りで広島まで行った(苦笑)かいがありました(^O^))
徳永
2015-12 JBVPレクチャーシリーズin福岡
2015/12/25
今年最後のセミナー参加報告になります。
最後の報告の写真がビールとおつまみ??と言われそうですが、これにもちゃんとした理由があります。(理由は一番下に)
今回のセミナーは「食道の疾患」がテーマで、講師は中島亘先生でした。
動物で多い食道疾患というと「食道異物」や「巨大食道」「食道炎」「食道狭窄」などが挙げられます。
例えば食道狭窄は食道が細く狭くなってしまい、食べ物が通過するのが困難になってしまう病気です。
猫では食道を物が通過するのがゆっくりなので、錠剤タイプの薬を飲ませた後に食道に炎症が起き、その後狭窄することがあると言われています。
なので、ねこちゃんに病気の治療で錠剤をのませたあとは、水や食べ物をしっかり食べさせるか、注射器等を使って水を飲ませて錠剤が食道に長く残らないようにする必要があります。
ねこちゃんを飼っている方は薬を飲ませること自体も大変ですが、飲ませたあとも充分注意するようにしてください。
ヒトで食道の疾患というと多いのは「逆流性食道炎」であり、飲みすぎ食べ過ぎで忘年会シーズンのこの時期特に多いと思い、上の写真を載せました。みなさんも充分注意してください。
(写真は院長のある日の夕食を撮ってきてもらったものです。時々献立に困ったときに院長にレシピの相談をするのですが、いつもおしゃれなレシピを教えてもらうので、中々真似できません 苦笑)
徳永
2015-12 総合臨床セミナーin山口大学
2015/12/25
獣医療業界は秋から冬にかけてはセミナーシーズンなので、いろいろなセミナーがこの時期に開催されます。
今回報告するのは、これまでも何度か参加している山口大学の総合臨床セミナーです。
今回のテーマは
「急性腹症」
「病理組織検査提出時のポイント」
「胆嚢粘液嚢腫 総合討論」
「眼科オープンカンファレンス」
の4題でした。
大学であろうと、一般動物病院であろうと診察室で実際に見る病気の種類は変わりません。
(検査できる範囲や治療できる範囲は異なりますが)
ですので、大学の先生がどう考えてどんな点に注意して診療を行っているかを聴くことは僕たちにも非常に勉強になります。
今回も普段悩むことも多いテーマについてだったので、これからの診療に十分役立てることが出来そうです。
徳永
2015-12 酪小獣九州ブロック 診療技研修会in福岡
2015/12/25
11月は諸事情からセミナーに行けなかったので、久しぶりの更新になります。
今回は酪農学園大学OBの先生が中心となって開催されているセミナーに参加してきました。
中心といっても、今回の参加者のうち酪農大学以外の出身者は僕だけだったのですが、みなさん暖かく迎えてくださいました。
写真は酪農学園大学HPに載っていた白樺並木の写真です。さすが北海道、とても寒そうです。
(参照元http://www.rakuno.ac.jp/photo.html)
今回の講師は酪農学園大学の廉澤剛先生
テーマは「腫瘍外科の過去・現在・未来」「肝臓腫瘍の診断と治療」でした。
廉澤先生は獣医腫瘍外科の世界では間違いなく日本でトップレベルの先生です。そんな先生が北海道から福岡まで来て講演されるということだったので、院長の代わりに参加してきました。
腫瘍治療では医療までとはいかないまでも、獣医療でも様々な新しい治療が報告されています。
しかし、根治(完全な治癒)を目指せるのは主に外科治療によってのみです。
ただし、手術においてもよくよく考えて計画し実施しなければ再発を免れません。
そんな腫瘍外科について、廉澤先生の過去の失敗から現在の取り組み、未来への展望を直接聞くことが出来たのは、とてもとても勉強になりました。
徳永