学会・セミナー等の参加実績
2015-10 皮膚科セミナー・歯科セミナーin福岡
2015/10/19
みなさんこんにちは。
今回は10月初めに開催された皮膚科と歯科のセミナーに参加してきましたので、報告させていただきます。
主催者は異なるのですが、同じ日に同じ会場で、続いた時間帯で開催されていたのでどちらも参加してきました。
まず皮膚科ですが、アジア獣医皮膚科専門医協会の西藤公司先生が
「臨床家が必ず知っていなければならない皮膚疾患」というテーマで講演をされました。
西藤先生は私が学生時代に所属した研究室の恩師の一人であり、学生時代から皮膚科について様々な指導をしていただいたのですが、今回の講演では最新の知見を交えたお話でとても勉強になりました。
そして歯科では、とだ動物病院の戸田功先生が
「放っておけない犬の歯周病」というテーマの講演をしてくださいました。
戸田先生が強く言っておられたのは、
「ガーゼの歯磨きでは歯周病を防ぐには不十分!歯ブラシで歯周ポケットを意識した歯磨きを家で出来るように指導してください!」というものでした。
たしかにガーゼやフード、ガムなどでも歯の見えている部分をきれいにすることは出来ます。
しかし、歯ブラシで歯磨きをしないと歯周病にかかってしまい、顎の骨が溶けてしまう可能性があるのです。
皆さんに歯ブラシを勧めるには、まず自分たちが歯磨きの大切さや難しさを実感しなければと思い、現在病院犬のマハロとカイの歯磨きをタッチ→ガーゼ→歯ブラシのステップで看護師さんにやってもらっています。
ということで写真はガーゼ歯磨きをうけるカイちゃんでした。
2015-09 JBVPレクチャーシリーズin福岡
2015/10/05
福岡で月1回開催されているセミナーの消化器シリーズに行ってきました。
今回は「炎症性腸疾患」というテーマで1つの病気を2時間かけて勉強しました。
炎症性腸疾患は、ヒトの「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」と類似する疾患です。
ヒトでもこの病気に苦しんでいる方も多く、毎年世界中から病気に関する研究報告がなされていますが、まだまだ未解明の部分も多いです。
炎症性腸疾患は、わんちゃんやねこちゃんでも少なくない頻度で起こります。
炎症と名はついていますが、重度の場合死んでしまうこともある注意が必要な疾患です。
症状は下痢や嘔吐などの消化器に関連したものが慢性的に認められます。
どの年齢でも起こる可能性はありますが、若齢が多いとも言われており、また体質的な要因も大きく関係しているため、完治は難しく長期管理が必要になります。
慢性的で繰り返す症状であればどんな症状でも(お腹が鳴るやお腹を痛がるなどでも)この病気の可能性はあります。
なかなか治らない胃腸の症状がある子は早期に積極的な検査が必要な場合もありますので、そういったことがありましたら些細なことでもご相談ください。
下の写真はセミナーに行った日にたまたま博多駅で実施されていた島根県の神楽の写真です。
5匹の龍が絡み合ったり客席に降りてきたりと、見ていてとても楽しかったです。
※院内セミナー
2015/09/20
7月と8月に院内にてフードセミナーがありました。
皆さんは、飼われているワンちゃん、ネコちゃんにどんなフードを与えていますか?今は、ペットショップやホームセンターなど様々な場所で購入することができますよね・・・
動物病院でもフードを取り扱っていますが、療法食だけなのかな?というイメージが強いのではないでしょうか?
メーカーさんの話の中で、フードを変えただけで『食糞をやめた\(◎o◎)/!』というエピソードがありました。恥ずかしながら我が家の愛犬も子犬の時に食糞をして叱って口を洗うという行動を繰り返していました。口を洗われるのが嫌でしばらくしたら食糞をやめましたが、フードだけで改善できるなら試そうかな?という気持ちになれますよね!
ちなみに食糞が改善したフードは動物病院専用なのです!!
様々なお悩みがフードで改善されることもありますし、何か気になる事があれば気軽にお声掛けしてくださいね。
酪小獣九州ブロック診療技研修会
2015/09/14
9月13日(日曜日)に博多で開催された「酪小獣九州ブロック診療技術研修会」に参加してきました。
この研修会は、酪農学園大学獣医学部を卒業された同窓生の集まりで、九州・山口の小動物開業の先生方の研修会で年に1~2回、酪農学園大学から現役の教授クラスの先生方を招聘し研修会を開催されています。
僕は、酪農学園の卒業生ではありませんが、ご縁があり毎年参加させて頂いています。
今回は酪農学園大学獣医学群 獣医学科 伴侶動物医療分野 中出哲也教授 が 「インターベンショナルラジオロジー」について約2時間の講演がありました。
インターベンショナルテクノロジー って聞きなれない言葉ですが、 Interventional Radiology というもので、的確な日本語訳はないそうです。
何をするかというと、Ⅹ線透視、CT、MRIなどの画像診断機器を用いながらカテーテルテクニックまたは穿刺術を利用した治療法です。「カテーテル治療」とか「血管内治療」とも呼ばれているそうです。
と、読んでもちょっと解りませんね。
今回は、犬の動脈管開存症という病気の治療と手術が不適応となった肝細胞がんに対するカテーテル治療について実際の映像を見ながら研修を受けました。
犬の動脈管開存症のカテーテル治療
後ろ足の動脈からカテーテルを挿入し、大動脈を進み心臓の異常部に穴をふさぐデバイスを設置しているところです。
肝細胞がんに対する経カテーテル動脈栓塞化学療法
やはり後ろ足の動脈からカテーテルを挿入し、大動脈を進み肝臓に血液を供給する肝動脈に抗がん剤を注入するという治療
このような治療については、テレビでの人間の医療のドキュメンタリー番組などで見たことはありましたが、実際の器具(カテーテルなど)は初めて見ましたし、実際に犬に応用した事例は初めて見ました。
また、この技術はすぐにどこの動物病院でもできる治療ではありませんが、地域の拠点となる大学病院などでは近い将来、受けることのできる治療になる可能性はあると思います。
動物医療の技術も着実の進んでいることを実感しました。 文責 平田
2015-08 JBVPレクチャーシリーズin福岡
2015/08/29
福岡で月1回開催されているセミナーの消化器シリーズに行ってきました。
今回は「消化器の超音波検査」というテーマで2時間の内容の濃い講演でした。
超音波検査(エコー検査)というと、ヒトでは妊婦さんがお腹の中の胎児の健康状態を見るために実施されるのが想像しやすいのではないでしょうか?
動物でも妊娠診断にエコー検査は有用ですし、古い昔のエコー機器では妊娠診断と子宮蓄膿症の診断が出来ればエコーは十分とされていた時代もあったようです。
しかし、近年機械の性能向上が著しく、様々なものがエコーで分かるようになりました。
消化管の病変も昔のエコーでは見えなかったものの1つです。
下の写真は当院のエコー検査で小腸の腫瘍を見つけ、その後1年間抗がん剤治療を行った症例のエコー写真です。
このようにエコーから診断につながる異常が見つかることも多いです。
また、エコー検査は痛みなく行うことが出来ますので、興味のある方はスタッフまでお声掛けください。
徳永
2015-07 JBVPレクチャーシリーズin福岡 総合臨床セミナーin山口大学
2015/07/27
今回は福岡で開催されているJBVPレクチャーシリーズと、
山口大学で開催された第6回総合臨床セミナーの参加報告をさせて頂きます。
福岡のセミナーは前回に引き続き「慢性下痢の診断アプローチ②」というテーマで中島亘先生のセミナーでした。
内容は下痢における内視鏡検査の適応と、治療反応性から診断していく慢性腸症という疾患に関してでした。
一方、山大のセミナーは複数の先生がいくつかのテーマで講演をしてくださいました。
内容は、「慢性下痢に対するアプローチ~内視鏡検査の前にすること、後にすること~」、「続・院内細胞診:細胞の見方、再確認してみよう」、「臨床例総合検討会:肥満細胞腫」、「内科診療オープンカンファレンス:呼吸器編」と盛りだくさんでした。
偶然ですが、福岡でも山口でも慢性下痢に対するお話を聴くことができました。
慢性下痢の中で、いくつかの原因となる疾患は内視鏡を用いなければ診断できません。
一方で、内視鏡以外の検査で診断される原因も多々あります。
わんちゃん、ねこちゃんで内視鏡検査をするときは全身麻酔が必要となり、他の検査と比較して大掛かりです。
ですので、内視鏡をする・しないは重要な判断が必要となり、それに今回受講したセミナーが役立つものでした。
当院でも時折、内視鏡検査を実施しています。
慢性下痢に対しての診断として使用することもあれば、異物を食べてしまった時にそれを摘出するためにも使用しています。
今回はそんな内視鏡検査で用いる鉗子(組織を採取したり、異物をつまむための器具)の写真を載せてみました。
2015-07 九州画像診断研究会 in福岡
2015/07/06
今回は年4回福岡で開催されている九州画像診断研究会の例会に参加してきました。
テーマは「肝疾患の診断・治療のアップデート」
講師は日本大学の坂井学先生でした。
今回のセミナーは間に休憩も入りますが、10時から17時の長丁場でした。
いつものセミナーは2時間くらいなのですが、長丁場だと聞くだけでも集中力の維持が大変です。
しかし、時間がたっぷりあるので様々な症例の経過も含めた深いお話を聞くことができました。
肝臓の病気は症状も出ないことも多く、健康診断で行った血液検査で肝臓の数値が高く気づくということも多いです。
多いのは膵臓や消化管など周囲の臓器に疾患があり、その炎症が波及するものです。
しかし中には将来的に肝硬変につながる肝炎も潜んでいます。
ですので、無症状でも場合によっては麻酔をかけて肝臓の組織を採る検査をする必要があることを再認識しました。
ベトリントンテリア
ラブラドールレトリバー
ウエスティー
コッカースパニエル
ドーベルマン
などは肝炎に罹りやすい犬種としても知られていますので、これらの犬種の飼い主さんは特に注意して定期的な血液検査をおススメします
2015-06 JBVPレクチャーシリーズ in福岡
2015/06/26
福岡で月一回開催されているセミナーですが、今回から分野と講師の先生が代わりました。
テーマは「慢性下痢の診断アプローチ」
講師は日本小動物医療センターの中島亘先生でした。
下痢は動物病院への来院頻度が高い症状の1つです。
多くの下痢は一過性で数日で治癒します。
ただ中には1~2週間一般的な治療を行っても治癒しない慢性下痢も存在します。今回はそんな慢性下痢に関するお話でした。
慢性下痢の診断には様々な検査や試験治療を行います。
そのため時間と費用がかかることもあるのですが、今回のセミナーで慢性下痢の診断について整理できたことで、より早く診断にたどり着けるようになったのではないかと思います。
あまりきれいではない下痢のお話でしたので、今回は常盤公園で見たきれいなアジサイの花の写真を添付してみました。
2015-05 JBVPレクチャーシリーズ in福岡
2015/06/26
福岡で開催されている皮膚科シリーズ全5回中5回目、最後の回の報告をさせて頂きます。
テーマは「よくある炎症性皮膚疾患の診断と治療③~アレルギー②~」
講師は関口麻衣子先生でした。
今回はアトピー性皮膚炎を中心としたお話でした。
アトピー性皮膚炎は小児アトピーなどで人でも有名ですが、
わんちゃんやねこちゃんでも良く認められます。
しかしこの検査をすれば確実に診断出来るというものはなく、症状から疑い他の病気を除外して診断していきます。
アトピー性皮膚炎は、アトピー体質(アレルギーを起こしやすい体質)や皮膚バリア機能の異常が関与していると考えられています。
これらを完全に治す治療法は現在のところ存在しないので、生涯何らかの治療が必要となってきます。
具体的には薬物治療やシャンプーなどのスキンケアです。
古くからステロイド薬が広く用いられており、これは安価で効果も早く確実ではあるのですが、一方で長期連用すると皮膚バリア機能を低下させ、病態の悪循環を招く恐れも指摘されています。
故に、安易にステロイドに頼らない必要があると考えています。
当院でもステロイド以外の治療法で管理しているアトピー性皮膚炎の患者さんもいますので、興味のある方はスタッフまでお声掛けください。
2015-03 シニア犬・猫マッサージセミナー in福岡
2015/06/01
シニア犬・猫にオススメなマッサージや日々のシニアケアについて勉強してきました。
ワンちゃん猫ちゃんにマッサージをするメリットとしては
①飼い主さんとペットの絆を強くする
②病気の早期発見につながる
マッサージはあくまでも予防療法・補完療法です。
でも大好きな飼い主さんにマッサージされるという幸せなひと時は
ワンちゃんや猫ちゃんにとってはとてもリラックスできる時間だと思います。
飼い主さんを見上げてるワンちゃんは首まわりがこってたり、
尻尾を高速で動かしている子はお尻がこっていることも。
寝たきりになってしまった子に筋肉をほぐしてあげるマッサージなど、スキンシップの延長として
マッサージをしてあげるといいと思いました。
基本触られるのが好きなワンちゃんに対して猫ちゃんへのマッサージはご機嫌をみながらになります。
その子その子に触られる好きな場所や触り方があるはずなのでそれを探しながらしてあげるのがいいそうです。
マッサージをするとした箇所や体温が約1度ほど上がったりします。
なので怪我や発熱してる子にはできない場合があります。
マッサージをする前は獣医師の診断を受けてからが良いでしょう^^
写真はうちの子をマッサージしてあげたあとの写真です。もともと撫でられるのが好きな子なのでマッサージしてるうちに寝てしまいました(*^^)v